本格的に熱中症が心配な季節になりましたね。
首都圏では熱中症警戒アラートが発令されたり、
ニュースでは、日頃からの予防対策が呼びかけられるようになりました。
今回は、保護者からもよく質問がある内容ですが、
ちゃんと答えられるように復習しておきましょう。
【誤解①】日常的にスポーツドリンクを飲む
もともとスポーツドリンクって
その名の通り、スポーツした後に飲むものです。
運動で多量に汗をかいた時以外に
日常的に摂取すると糖分過剰になります。
虫歯のリスクもそうなんですが、
血糖の急激な上昇により
「ペットボトル症候群」という健康被害が起こることが…。
「ペットボトル症候群」とは、
炭酸飲料や清涼飲料水の多飲により
吸収の早い糖類が高血糖状態をまねくことをいいます。
血糖値が上昇すると喉が渇くため、
さらに清涼飲料水を飲むという悪循環に陥ってしまいます。
重度の場合は、意識朦朧・昏睡などの症状を呈すこともあります。
意外と飲みすぎ危険ですね。
ジュースと同じという取り扱いが適切ですね。
普段の水分摂取は、水か麦茶が勧められていますね。
【誤解②】普段より多めの塩分摂取
塩飴や梅干しなどで
塩分を補給しなければいけないと思っていませんか?
スポーツドリンクのところでも説明したのですが、
OS-1など経口補水液も、脱水になる前に
予防的に飲んでも効果はありませんし、
塩分は大量の水と一緒に摂取すれば
脱水の改善に効果があるのであって、
塩分だけ摂取しても意味がありません。
2015年保育園での塩中毒事件はご存じですか?
保育園職員が、こどもに塩水を飲ませて
塩中毒でこどもが亡くなった事件がありました。
こどもの塩分摂取目標量ってかなり少ないんです。
この表が参考になります。
大量に汗をかいたり脱水が疑われる場合以外で
日常的に多めに塩分摂取するのは、リスクがあります。
【誤解③】涼しい室内にいれば大丈夫
室内にいれば安心なわけではなく、
こどもは、体温調整能力が未熟だったり
自分でこまめに水分を取ったり
疲れたら休むなど自制するのが難しいですし、
自分の体調不良を伝えられなかったりするので、
こまめに顔色やしんどそうな様子がないか
観察しておかないといけません。
総務省消防庁によれば、2017年から2019年の熱中症発生場所は3割から4割が敷地内全ての場所を含む住居となっており、室内での熱中症の発生も多くなっています。
(引用:熱中症ゼロへ)
涼しい環境で過ごすのは大事ですが、
室内でいるからといって、安心はできません。
まとめ
熱中症の予防と、発症した後の対応が
ごっちゃになって覚えてしまっている人がいるので、
「熱中症はメジャーだから、保健だよりでわざわざお知らせしなくても…」
「職員会議で言うまでもないよね?」
と思わずに、毎年啓発が必要です。
とりあえず塩分取ればいいんでしょ?
みたいに極論の人がいるので要注意です。