まだまだマイナーな保育園看護師ですが、
5年間経験してみて、
本音でメリットとデメリットを紹介します。
保育園看護師のメリット
カレンダー通り休める
私は保健業務が主で、
保育に入るのは保育士さんの手が足りない時だけなので、
シフトに組み込まれることはありません。
そのため土日祝日+有給休暇がしっかり休めます。
ただし、園によっては
看護師も保育士の1人としてシフト勤務になります。
その場合でも、日祝日は休みとなります。
(ごく稀な夜間保育園や24時間保育園を除く)
医療処置が少ない
基本的に医療処置は行いません。
そのため、どういう行為が医療行為で
どれが医療行為ではないのか
理解しておくことが重要です。
ただし、医療ケア児が在籍している場合
医療処置が必要になります。
こどもの成長を連続的に観察・ケアできる
病院だと、症状がよくなったり、
次の治療開始まで自宅療養などで
こどもや保護者との関係が途切れてしまい、
次に会うのは1年後ということも。
でも、保育園では週5日登園ですし、
看護師は平日毎日出勤のことが多いので、
こどもの普段の様子や、
毎日のちょっとした変化を見ることができ、
0歳児から卒園するまで、
ずっと成長を見届けられる子もいます。
そいういったことから、
定型発達についてや
どこまでの発達差異までなら
経過観察・個別性と判断されるのかなど
病院ではなかなか経験できなかったことが学べます。
保育の知識、技術が学べる
こどもの成長発達に適した環境とは?
なぜ遊ぶことが重要視されているのか?
よい叱り方・ほめ方は?など
病院勤務では分からなかったことを学ぶことができます。
保育士さんたちが
普段こどもたちに
どうやって関わっているのかを見て真似したり、
たくさんのこどもたちと毎日関わることで
発達や性格のバラエティーを知ることができたり、
保育園の環境設定を見て
こどもに必要なおもちゃや安全な環境を学べます。
保護者と会話することが多い
こちらから用があって
声をかけることもあるんですけど、
保護者の方から何気ない話題で
声をかけてもらうことも多いです。
毎日のように顔を合わせて
会話していることもあり、
お互いに性格や行動傾向が
分かってくるので、
誤解が生じづらいと感じます。
余談ですが、私は病院勤務時代に
保護者対応がストレスになりすぎて
保護者と接する時に手が震えたり、
声が出なくなっていたんですけど、
保育園に転職してから
そういった「保護者アレルギー」を克服できました。
夜勤あり病院勤務時代より、給与がアップ
常勤の看護師の平均年収は、
私立保育園は408万円
公立保育園は476万円
となっています。
ちなみに私は私立の保育園なのですが、
公立保育園の平均年収より多いです。
夜勤してないのにこんなにもらえるんだ~とびっくりしています。
一般的に、都市部の保育園は
自治体から職員向けの補助金が出ていたり、
民間保育園は、給与水準が高いことが多いです。
ポイントは、保育士の給与が高い園を探すことです。
看護師の給与は、
保育士の給与+看護師の資格手当
というところが多いので、
保育士の給与水準が低いと、
看護師の給与も低くなりがちです。
看護師は1人なので、自由にさせてもらえる
病院では、何年目だと
こういう仕事をしないといけないとか
看護師はこれをしないといけない
みたいに決められた仕事がありますよね。
保育園の場合は、雇用する側も
どんな仕事を看護師にさせたらいいのか…
と困っていることが多いくらい
看護師の業務が決まっていません。
自分から
「こういう仕事をやりたい」
「ここを修正したい」など意見を伝えると、
意外と「じゃあ、やってみなよ」と
やらせてくれることが多いです。
私は、病院の中でマルチタスクを求められたり
後輩・同期はこんなことができるのに、
あなたは何でそんなこともできないの?
と叱責されることがとてもつらかったので、
比較される対象がいない1人看護師は、
精神的にとても楽です。
保育士さんたちも、
看護師と接する機会が多くないので
ちょっと変わった看護師でも
「こんなものかな?」とスルーしてくれます。
保育園看護師のデメリット
看護師の専門性を生かせない(ことがある)
保育士と同じような仕事を求められる園や、
フリーとして1日中保育に入る園もあり、
看護師としてやりたいことはあっても、
時間がないということがあります。
私は、基本的にフリーで動けるのですが、
他園の保育園看護師では、
クラス担任になっている人もいて
ほぼ「保育士」のような仕事だ
と言っていました。
衛生管理、感染症対策など理解してもらえない
看護師同士だとあまりにも常識すぎて
標準予防策のことや感染症予防策など
話題にもならないのですが
保育士さんたちに、
そういった知識や技術が
全く無い場合があるので
いちから指導が必要な場合があります。
(そして理解されないか反発されます)
もっとちゃんと勉強してよ!と保育士さんへの怒りポイントになりやすいです。
保育士さんとうまくいかない
お互いの専門性をよく分かっていないことや
保育と看護で重要視されるポイントが
ズレていることが原因のことが多いです。
病院で看護師は
主職種として重宝されますが、
保育園での主職種は保育士なので、
看護師の方から積極的に、
保育について理解しないといけません。
また看護師の専門性についても
自分から説明していかないといけません(遠い目)。
医療知識・技術が学べない
保育園では
ほとんど医療処置を行わないので、
再度病院に転職したい場合
保育園での経験は「看護師経験」
とみなされない場合もあるのでご注意を。
ただ、医療的ケアが必要なこども専門の保育園もあったり
公立保育園は、病気を抱えたこどもを
受け入れる件数が多い傾向にあるので、
そういった保育園で
「地域で医療ケアを行うスキル」
を身につけることもできます。
保護者対応が大変
ほとんどの保護者とは良好な関係が築けますが、
中には対応が難しい保護者もいます。
園長、主任など管理職が対応することも多く、
職員全員が統一した対応ができるように
打合せしておくことが必要です。
また、こどもが体調不良の時に
無理やり保育園に預けようとしたり
なかなかお迎えに来てくれなかったり
という保護者の場合は、
看護師から話をすることもありますが、
何度話しても続くようなら
園長や主任に対応してもらうなど
1人で何とかしようとしないことが重要です。
1人で判断・対応しないといけない
体調不良やケガなどで
こどもを病院に連れていくのか
保護者に迎えに来てもらうのかなど
決定するのは園長など管理職です。
ただ、看護師としての意見を求められたり
明らかに間違った判断である場合は
しっかり医学的根拠のある意見を
伝えないといけません。
自分の判断が合っているのか
間違っているのか、
病院勤務の時は、
同じ看護師に相談できたので
心強かったですよね。
保育園では、そういう相談相手がいないので、不安は大きいです。
こどもが手加減しない
基本的に元気に動き回れる子が相手なので
ひどい言葉を言ったり、
手加減せず暴力を振るわれたり
病院ではまず経験しなかったレベルの衝撃があります。
もちろん対応の仕方を学べば、
ある程度、被害を予防できるのですが
どれだけこども好きな人でも
疲弊することがあります。
まとめ
保育園看護師のメリットとデメリットを
7個ずつ紹介しましたが、
すべてご覧いただいた方はお気づきかと思います。
そう、メリットとデメリットは
表裏一体なので、
私にとってはデメリットでも
皆さんにとってはメリットになるかもしれません。
私は、保育園の仕事が自分に合っていたようで
毎日楽しく過ごしています。
最近は、保育園の数が増えており
都心部を中心に看護師を配置する園が増えてきています。
もし興味があるようでしたら、
是非保育園への転職を検討してみて下さい。
他にも保育園に転職するとびっくりすることも
ご紹介しています。